イラレで名刺を作ろう!〜名刺の作り方〜

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イラレで名刺を作ろう!〜名刺の作り方〜
投稿者:にこ にこ

みなさんは名刺を持っていますか?

名刺は、名前や住所、連絡先などを印刷した小さな紙です。

名刺はの主な役割は「自己紹介」で、ビジネスシーンでの情報交換や人脈作りに欠かせないツールです。
名刺には、自分や会社の情報を伝えるだけでなく、ビジネスにおいて信頼性や専門性を示すことができます。

今回はIllustrator(以下イラレ)を使って名刺を作っていきます!

Illustratorとは

名刺を作るソフトとしてよく上がるのがイラレです。
イラレは、イラストやグラフィックを作成できるイメージ編集ソフトで、デザインや細かい図形の作成が得意なツールです。

イラレの特徴としては以下のことが挙げられます。

1.拡大縮小してもボケない

イラレは「ベクターファイル」を扱います。

「ベクターファイル」は、数式、直線、曲線を使用して、グリッド上の固定点により画像を表示します。
ベクターファイルにはピクセルはありません

ベクターファイルは、数式によってシェイプ、境界線、塗りの色を表現し、画像を構築します。
ベクター画像はサイズが変わっても数式により再計算できるため、品質に影響を及ぼすことなく拡大縮小できます。

(2024年10月22日アクセス Adobe記事参考 https://www.adobe.com/jp/creativecloud/file-types/image/comparison/raster-vs-vector.html)

つまり拡大縮小しても、画像が荒くなったりぼやけたりしないのが特徴です。
印刷物では、高解像度が求められるため、この特徴が重要です。

2.印刷物に向いている

イラレはベクターファイルを扱い、図やイラストが描きやすいことから、

・ロゴ、アイコンのデザイン
・名刺、チラシなどの印刷物
・看板の作成

に向いています。

また、CMYKカラーモードに対応しており、印刷に必要な色管理が行いやすいです。
これにより、印刷結果とデザイン画面上の色が一致しやすくなります

Illustratorで作ったデータは印刷業界での標準形式です。
ですから簡単に印刷を依頼することができ、大きなサイズの制作にも対応しています。

完成イメージ

これが完成のデザインです。

さっそくイラレで名刺を作っていきます。
まずはイラレを開いていきましょう。

デザインに入る前の作業

まずデザインに入る前に基本的な設定をしていきましょう。

1.名刺のサイズ

名刺の標準サイズは91mm×55mmです。

今回はこのサイズで作っていきます。

イラレの新規ファイルを開いてサイズの設定していきます。

今回は縦長なので55mm×91mmに設定しています。
横長の時は長さは反対にしてください。

2.カラーモードの設定

次にカラーモードの設定です。

イラレのカラーモーはCMYKとRGBの2種類を選べます。

CMYKは主に印刷物に使用されます。
CMYKカラーモードを使用すると、印刷物で見える色に近い再現が可能です。印刷物を作成する際、CMYKはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを使って色を表現します。これにより、印刷時の色をできるだけ正確に再現することが目的です。

CMYKでは、RGBに比べて表現できる色域が狭くなるため、特に鮮やかな色(蛍光色など)は再現が難しいことがあります。そのため、デザインをする際には色の選択に注意が必要です。

RGBは 主にデジタル画面(web、モバイル)用のデザインに使用されます。RGBで作成したデザインを印刷すると、色味が異なることがあります。印刷用にはCMYKで作成することをおすすめします。

今回は印刷物なのでCMYKに設定します。

3.裁ち落としの設定

裁ち落としは、印刷物のデザインにおいて、画像や背景が印刷の端まで広がるように配置する技術です。
これにより、カットされる際に白い余白が残ることなく、デザインが途切れないようにします

裁ち落としの推奨サイズ

3mm: 一般的な印刷物(名刺、チラシ、ポスターなど)の場合、各辺に3mmの裁ち落としを追加するのが標準です。
5mm: 大きめの印刷物や、特に重要なデザイン要素がある場合には、5mmを推奨することもあります。

今回は3mmで設定していきます。

裁ち落としは、印刷時に余白なく仕上げるために非常に重要です。デザインを作成する際には、必ず裁ち落としを考慮して作業することをおすすめします!

これで設定が終わりましたので、「作成」ボタンを押してファイルを作成しましょう。

開いた画面はこちらです。
赤い線が3mm追加した裁ち落としの線ですので、色はここまで追加しましょう。

4.ガイドラインの設定

次にガイドラインを設定していきます。

ガイドラインは、アートボード上に引かれる目に見えない線です。デザイン要素を整列させたり、特定のエリアを区切ったりするために使用されます。

今回はアートボードに5mmの内余白をつけていきます。

余白が推奨される理由

名刺や印刷物のデザインでは、裁断時に多少のズレが生じることがあります。5mm(内側のマージン)の余白を設けることで、要な情報がカットされるリスクを減らします。

また、余白を設けることで、視認性が向上します。デザインがごちゃごちゃせず、読みやすくなります。

余白の付け方

まず、表示 → 定規→定規を表示を選択します。
これによりアートボードの周りに定規が表示されます。

定規からガイドラインを引くには、定規の上または左側をクリックし、ドラッグしてアートボードに線を引きます

さっそくデザインの余白を5mmに設定しましょう!

ガイドラインをドラッグして、必要な位置に移動します。数値を見ながら配置しましょう。

定規の目盛は読みにくいので、定規を引くときに[変形]パネルで値を確認すると正確に引けます!

ガイドが動くとデザイン制作する際に5mmずれてしまうので、固定してると便利です。
ガイドラインを固定して動かないようにするには、表示メニューからガイド→ガイドをロックを選択します。解除したい場合は同じ手順で解除します。

デザイン制作

さっそくデザインしていきましょう。

1.背景色の設定

まずは背景色を設定していきます。
長方形ツールを使って、アートボード全体を覆う背景を作成します。色やグラデーションを設定します。

今回は黄色にしていきます。

白い背景はアートボードのデフォルトの色なので、白の場合は背景色は付けなくても大丈夫です!

2.円の作成

背景は黄色一色ではなく、黄色と白を使用しています。
白は円になっているので、図形ツールで円を作ります。

はみ出している部分を消したい時は、表示→トリミング表示でアートボード外を見えなくできます。

3.文字の挿入

テキストツールを使って、文字を入れていきます。

通常の名刺は名前、役職、会社名、連絡先(電話番号やメールアドレス)などを入力します。

今回は個人用の名刺なので会社名などは入れずに、名前、職業名を記載しています。
今回はQRコードのURL先に連絡先などを入れています。QRの画像は後ほど挿入します。

カーブがかかっている文字は、似顔絵の頭に添わせるので、後ほど画像の挿入後に曲げていきます。

3.吹き出し図形の作成

吹き出しの図形を作ります。

四角と三角の図形を組み合わせて作ります。
まずは図形ツールで四角と三角を作りましょう!

次に、この二つの図形を合体させます。三角の向きはプロパティから90度傾けておいてください。

合体させるには、合体させたい図形をすべて選択します。Shiftキーを押しながらクリックすると複数選択できます。

メニューのウィンドウからパスファインダーを選択します。

パスファインダーのウィンドウ内で、形状の結合(最初のアイコン)をクリックします。これにより、選択した図形が一つのオブジェクトとして合体します。

これで完成です。

4.画像の挿入

QRコードの画像と似顔絵の画像を挿入します。

メニューから「ファイル」→「配置」を選択します。
こんな感じに配置しました。

挿入する形式として、リンク付きとリンクなしがあります。

2つのメリット、デメリットは以下の通りです。

リンクなしのメリット

①画像が埋め込まれるため、他のファイルと一緒に保存され、別途画像ファイルを管理する必要がなくなります

②デザインを別のコンピュータや場所に移動する際、画像が欠けることなく、すべてが一つのファイルにまとまります。

③リンクされた画像が変更されたり削除されたりしても、埋め込まれた画像は影響を受けません

リンクのメリット

①リンクを使用すると、Illustratorファイルのサイズが小さくなります。特に高解像度の画像を使用する場合は、ファイルサイズが大きくなりがちです。

②リンクされた画像を元のファイルで直接編集できるため、画像の変更や更新が容易です。

③リンクを使用すると、メモリの消費が少なく、パフォーマンスが向上することがあります。

どちらの方法を選ぶかはご自由にお願いします。ファイルを一体化させたい場合はリンクなしが便利ですが、ファイルサイズを抑えたり、柔軟に画像を管理したい場合はリンクを使用するのが良いと思います。状況に応じて使い分けてください!

私はデザインを別の場所に移動する際、画像が欠けるのがめんどくさいのでリンクなしにしています!

5.文字を曲げる(ワープ効果)

「\いつもニッコニコ/」の文字はカーブがかかっていますので、文字を曲げて聞きます。

今回はエンベロープを使って文字を曲げていきます。

まず、ワープさせたいテキストを選択します。

オブジェクトメニューに移動し、エンベロープ → ワープを選択します。

そうすると、ワープオプションのダイアログボックスが表示されます。ここで、円弧を選択します。

選択したスタイルに応じて、弧の量や方向などの設定を調整します。
プレビューをチェックしながら、理想的な見た目になるように設定します。

設定が完了したら、OKをクリックして、文字をワープさせます。
こんな感じになりました!

完成!

これで完成しました。トリミングで表示して出来上がりを確認しましょう。

とってもいい感じです!

これで名刺の作り方は終わりです。

モックアップを作りました。

今回は名刺を作っていきました。
みなさんも作れましたか?
また次回もよろしくお願いします!