近年、Webサイト(ホームページ)制作の方法は大きく進化し、ノーコードツールからコードベースのプラットフォームまで、さまざまな選択肢が登場しています。
WixやJimdoのような初心者向けのツールから、WordPressやJamstackのような中、上級者向けのプラットフォームまで、目的やスキルレベルに合わせて選べる時代になりました。
本記事では、これらのツールとプラットフォームの特徴や利便性、デメリットを比較しています。
これからWebサイトやECサイトを作ろうとしている方や、リニューアルを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ノーコードツール
近年はコードを書かなくてもサイト制作ができるツール(ノーコードツール)が増えたことにより、制作会社などに頼まずに自分でサイト制作をされる方も増えています。
まずは代表的なノーコードツールであるWixとJimdoの紹介をします。
Wix(ウィックス)
ノーコードツールの代表格と言えばWixです。
Wixの特徴(メリット)としては以下のようなことが挙げられます。
- 世界中で利用されている
- 無料で始められる
- 900種類以上のテンプレートがあり、カスタマイズできる
- ドラッグ&ドロップ操作で手軽にホームページを作れる
- オンライン予約や、ネットショップなどの様々なアプリを簡単に組み込める
- セキュリティチームが24時間体制でサイトを監視
一方デメリットとしては以下のようなことがあります。
- 一度選択したテンプレートを途中で変更することができない
- 無料プランだと広告が表示され、独自ドメインの使用が制限される
- バックアップする機能がついておらず、サイトの移行が難しい
- 簡単なカスタマイズはできるが、高度なカスタマイズはできない
- SEOに関する高度な設定ができない
- ページの表示速度が遅くなりがち
Jimdo(ジンドゥー)
Wixとよく比較されるのが、Jimdoです。
世界ではWixの方が利用者が多いですが、日本ではJimdoの方が人気です。
Wixと特徴も似た部分が多いので、Jimdoのみの特徴を挙げておきます。
- 日本で広く利用されている
- スマホで編集、更新が可能(Wixの場合はWixADIで作成した場合は可能)
- テンプレートの変更がいつでも可能
- WixよりSEOが強い
デメリットは以下の通りです。
- 電話サポートがない
- 無料版の場合、長期間のアクセスがないと削除される
- テンプレートの数がWixよりも少ない
- ページ数の制限がWixより厳しい
Wix、Jimdoのまとめ
WixとJimdoはいずれも非常に便利で手軽にWebサイトを作れますが、独自ドメインや広告、機能、SEOなどの制限から、ビジネス用途で使う場合は無料版では厳しいと言えます。
私のようなエンジニアから見れば、物足りなさや、不便さ、料金の高さなどデメリットを感じる部分は多々ありますが、コードを書かずに作りたい方にはお勧めです。
プランも様々ですので、詳しいことを知りたい方は各公式サイトでご確認ください。
Wix公式(https://ja.wix.com)
Jimdo公式(https://www.jimdo.com/jp)
STUDIO(スタジオ)
WixやJimdoよりもデザイン性の高いサイトを作りたいという方はSTUDIOをお勧めします。
STUDIOは非エンジニアやデザイナーが、ノーコードでオリジナルのWebサイトを制作できるプラットフォームとして、近年非常に注目されています。
STUDIOのメリット
- 無料で始められる
- テンプレートのデザインの完成度が高い
- ノーコードでこだわったデザインを実現できる
- 管理がしやすい
- 日本の企業(問い合わせがしやすい)
STUDIOのデメリット
- 無料プランの制限が厳しい
- デザインは細かく作り込むことはできるが、制限はある
- 基本的な機能は実装できるが、実装できない機能もある
- カスタマイズしようとすると、Webの知識が必要になる
- 月間PV(ページビュー)数の上限がある
STUDIOのまとめ
STUDIOはノーコードでデザインを作り込むことができるため、Webデザイナーを中心に人気を集めているプラットフォームです。
Webデザインに関する知識が全くないと、オリジナルデザインの制作は難しいので、その場合はSTUDIOが扱える制作会社やフリーランスのデザイナーに依頼する必要があります。
また、Webデザインの知識を持っているからといって、手軽にサクサク作れると言うわけではなく、使いこなせるようになるまでには、STUDIOの学習が必要になります。
ベンチャー企業から上場企業、官公庁など、様々な規模・業種で導入されており、公式サイトもデザイン性が高いので、気になった方は公式サイトを見てみてください。
STUDIO公式(https://studio.design/ja)
ECサイト
ECサイトとは、インターネット上で商品やサービスを販売するWebサイトのことです。
ECサイトの種類は大きく分けると、Amazonや楽天市場のようなモール型と、自分(自社)でサイト構築をする自社サイト型がありますが、今回は自社サイト型の紹介です。
WixやJimdoなどでも自社サイト型のECサイトを作ることはできますが、より販売に特化したサイトをノーコードで手軽に作りたい場合は、Shopify、BASE、STORESが有名です。
Shopify(ショッピファイ)
ECサイト制作する場合、選択肢としてまず出てくるのがShopifyです。
世界で最も有名なECサイトのプラットフォームで、利用者も年々増加傾向にあります。
Shopifyの特徴は以下の通りです。
- 無料テンプレート9種類、有料テンプレート60種類以上
- 月額費用:29〜299ドル/月
- 決済手数料:3.25〜3.9%
- Shopify独自のオンライン決済サービスの利用で、取引手数料、入金手数料が無料
- コード編集による、独自テンプレートの作成が可能
BASE(ベイス)
BASEは日本で人気のプラットフォームで、初めてECサイトを作る場合や、小規模なビジネスに適しています。
月額費用が無料のため無料で始められますが、その分、手数料が割高です。
- 無料テンプレート10種類、有料テンプレート100種類以上
- 月額費用:無料
- 決済手数料:3.6%+40円
- 取引手数料:3%
- 入金手数料:2万円未満750円、2万円以上250円
- コード編集による、独自テンプレートの作成が可能
STORES(ストアーズ)
BASEと似たプラットフォームですが、外貨が利用できないため、海外向けではありません。
無料から始められ、手数料はBASEよりも安めです。
- 無料テンプレート40種類以上
- 月額費用:無料、または1,980円
- 決済手数料:無料プラン5%、有料プラン3.6%
- 取引手数料:無料
- 入金手数料:1万円未満550円、1万円以上275円
- 外貨利用不可
- コード編集ができないため、独自テンプレートの作成が不可
Shopify、BASE、STORESのまとめ
それぞれのプラットフォームで特徴はありますが、ECサイトでしっかり売り上げを伸ばし事業を拡大していくならShopifyがおすすめです。
売り上げがどうなるか分からず、費用を抑えてとりあえずショップを開きたい場合はBASEがおすすめです。
月商数十万円の見込みがある場合には、STORESがおすすめです。
Shopify公式(https://www.shopify.com/jp)
BASE公式(https://thebase.com/)
STORES公式(https://stores.jp/)
コードベース
ここからはノーコードではないサイト制作の方法を紹介します。
WordPress(ワードプレス)
世界で最も多く使われているコンテンツ管理システム(CMS)がWordPressです。
WordPressでもテンプレートを使えばノーコードでも作れますが、コードを書くと完全オリジナルのサイトが作れます。
インターネット上のすべてのWebサイトの4割以上がWordPressで作られているというデータも発表されており、CMSを導入しているサイトに絞り込むと世界では62.8%、日本では82.5%がWordPressで作られています。(2024/4/21時点)
2位はShopifyなのですが、世界だと6.3%、日本だと2.8%程度なので、WordPressがいかに利用されているかがよく分かります。
WordPressのメリット
- オープンソースで無料
- 無料テーマやプラグインが豊富
- コード編集によるオリジナルデザインが可能
- 豊富な情報で問題解決が容易
WordPressのデメリット
- サーバー契約などの初期設定が必要
- 公開後のメンテナンスに手間がかかる
- セキュリティ対策が必須
WordPressのまとめ
様々なことができて非常に便利なWordPressですが、その分、知識が必要だったり手間がかかったりします。そのため、WordPressでのサイト制作は、Web制作会社やフリーランスなどに依頼することがほとんどです。
ただ、制作会社や個人によってスキルやレベルは様々なので、制作を依頼する場合は、何ができるのか、どこまでやってくれるのかを、費用感を見ながら、しっかり確認することが重要になります。
特にWordPressはセキュリティ対策が非常に重要になります。
WordPressは世界のトップシェアを占めているため、世界で最も標的にされやすいソフトウェアでもあります。セキュリティに関する知識が必要となるのはもちろん、必要な対策をとっておかないと、サイトを乗っ取られ、内容を書き換えられたり、大切なデータを盗まれたりすることもあるため注意が必要です。
WordPress公式(https://ja.wordpress.org/)
Jamstack
最後に私が普段使っているJamstackについても簡単に触れておきます。
Jamstackで作ったサイトは、開発者が触る部分と、クライアント(お客様)が触る部分を完全に分けることができます。
クライアントはヘッドレスCMSと呼ばれるプラットフォームだけを触り、データの入力をしたり、編集をしたりします。開発者はそのデータを処理し、サイトに表示させます。
このようにすることで、セキュリティの高いサイトを構築することができます。
Jamstackのメリット
- パフォーマンスを上げることができ、ページの表示速度がかなり早い
- デザイン、機能ともに柔軟性が非常に高く、自由なサイトを作れる。
- SEOに強いサイト制作が可能
- セキュリティレベルの高いサイト運営が可能
- 保守管理が楽になる
Jamstackのデメリット
- 人や会社によってスキルはバラバラ
- 人や会社によって費用もバラバラ
- 開発の種類によっては時間がかかることもある
Jamstackのまとめ
Jamstackは高品質、高機能なサイトを作ることができます。
Jamstackについてもっと知りたい方は、以前の記事で詳しく書いているので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
初心者向けJamstack完全ガイド|高速で安全なWebサイトを構築する方法
まとめ
今回は、Wix、Jimdo、STUDIOといったノーコードツールから、Shopify、BASE、STORESといったECサイト構築ツール、WordPressやJamstackといったコードを活用したプラットフォームまで、Webサイト制作に役立つさまざまな選択肢を紹介しました。
今回紹介させていただいたのは、あくまでWebサイトを作成するための代表的な方法です。他にもWebサイトを作る方法やツールはたくさんありますので、気になった方は色々検索してみてください。また、分からないことやご相談等がございましたら、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
今後も当サイトでは、Web制作のトレンドを紹介していきます。ぜひ楽しみにしていてください。
参考サイト
今回は多くのサイトを巡って調査をしました。
ここに掲載しているリンクはその一部で、特に参考にさせていただいたサイトです。
全般
https://www.websiteplanet.com/ja/website-builders/
Wix、Jimdo
https://kinsta.com/jp/blog/wix-alternatives/
https://www.profuture.co.jp/mk/column/44962
https://bties.co.jp/homepagenopro/free/jimdo.html
STUDIO
https://noroshi.design/blog/studio-wordpress
https://irodoru-web.com/homepage/studio
ECサイト
https://web-kanji.com/posts/shopify-compare
https://squareup.com/jp/ja/townsquare/shopify-vs-base
WordPress
https://kinsta.com/jp/wordpress-market-share/ https://blog.hubspot.jp/website/cms-share